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書き間違いのある遺言書と登記

遺言は、遺言を書いた人が亡くなってから、効力が発生します。

当然ですが、遺言書を使う時に、その内容を書いた人に確認したくてもできません。

遺言書による相続登記

先日、遺言書による相続登記をしました。遺言書は公正証書遺言ではなく自筆証書遺言です。

自筆証書遺言とは、遺言書をすべて手書きしたものです。
財産目録はパソコンや不動産謄本のコピーもOKになりましたが、原則すべて手書きです!

私が相続登記をするために預かった遺言書は、文字を書き間違えた箇所を二重線で訂正した後、正しい文字が記入してありました。

文章の最後の方での間違いです。集中力が切れたたのか、あと少しで書き終わり、完璧な遺言書となったのに。

普通の書類や手紙であれば問題ありませんが、これは遺言書です。
遺言書の訂正や内容について、遺言書を書いた本人(遺言者)に確かめることはできません。

遺言書の訂正方法

自筆証書遺言の訂正方法は、法律(民法第986条第3項)で以下のように決められています。

「自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。」

細かく決められていますが、意味が分からないですよね。例えば、5行目の2文字を書き間違えた場合は、次のように訂正します。

①遺言者自身が訂正。
②間違えた文字を二重線で線を引き、間違えた文字に押印し、正しい文字を記入。
③変更した場所、変更した旨を記入し署名する。(例 5行目、2字削除、2字加入 名前)

この方式に従ってない場合は、「効力を生じない」ですから訂正されていない、とみなされます。

定めれた訂正方式とは違う遺言書は相続登記に使えるか?

私が預かった遺言書は、遺言者自身が訂正していますが、署名や訂正箇所に押印はありません。

①遺言者自身が訂正。→これは問題なし。
②間違えた文字を二重線で線を引き、押印し、正しい文字を記入。→押印なし
③変更した場所、変更した旨を記入し署名する。→全くしていない

つまり、正しい訂正方法ではありません。
訂正されてないことになる?これは相続登記に使えるのでしょうか?

このような場合は、法務局に相談します。
今回の遺言の間違いは、漢字の1文字を書き間違えていました。明らかに書き間違えたとわかるものです。
法務局との相談の結果、間違いが軽微(漢字1文字のみの書き間違い)であるので、相続登記に使えるという結論でした。良かったです!

相続登記に使えない可能性もありました。

遺言書を書き間違えたとき

遺言書を書き間違えた時は、新しい遺言書を書き直してください。

訂正してもいいですが、訂正方法が細かくて厳格に決められています。
せっかく遺言書を書いても、訂正方法が定まられた方式ではないために手続きに使えなかったのでは、遺言書を残す意味がありませんからね。

遺言書を、全文を間違いなく書ききる自信がないときは、公正証書遺言にしましょう!
公正証書遺言でしたら、遺言者は署名と押印だけです。遺言の内容は公証人が文字に起こしてくれます。

遺言についてのご相談がありましたらお問い合わせください。

代表の林潤(めぐみ)です。

身近にある法律問題や、高齢になって発生する問題などの不安・悩み・心配事に対し、依頼者と一緒に解決に向けて取り組んでいます。

「こんな事を相談してもいいのかな?」と迷うようなことでも、お気軽にご相談ください。相談者様の不安・悩み・心配事を解消し、笑顔になるお手伝いをさせて頂きます。

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